「会社員として働きながら雀王になった」——そのユニークな経歴で麻雀界に大きな話題をもたらしたプロ雀士・矢島亨(やじまとおる)。日本プロ麻雀協会(NPM)所属で、第19期雀王をはじめ複数タイトルを獲得した実力者です。神奈川県出身・1979年生まれで、ルート営業の会社員という本業を持ちながら麻雀プロとして活動を続けるという異色のスタイルは、多くの麻雀ファンに夢と勇気を与えてきました。「戦慄の速射砲」の異名を持つ攻撃型の麻雀は、その存在感とともに多くの対局で爪痕を残しています。この記事では、矢島亨プロの経歴・雀風・見どころを初心者にもわかりやすく解説します。
プロフィール |
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| 本名 | 矢島 亨(やじま とおる) |
| 生年月日 | 1979年1月15日(47歳・2026年時点) |
| 出身地 | 神奈川県 |
| 血液型 | A型 |
| 所属団体 | 日本プロ麻雀協会(NPM)第6期後期生 |
| プロデビュー | 2007年(29歳でデビュー) |
| 主な獲得タイトル | 第19期雀王、第17期雀竜位、第13回日本オープン優勝、第17・18・19回オータムチャンピオンシップ優勝 |
| 異名・キャッチフレーズ | 「戦慄の速射砲」「サラリーマン雀士」 |
| 本職 | 会社員(ルート営業)と麻雀プロを兼業 |
経歴:サラリーマンから雀王への道 |
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10歳から麻雀に親しむ——家族麻雀での原体験矢島亨プロが麻雀と出会ったのは幼少期のことです。家族での麻雀が身近な環境で育ち、10歳ごろには麻雀のルールを覚えていたとされています。多くのプロ雀士が大学や社会人になってから麻雀にのめり込む中、矢島プロは子どもの頃から卓に親しむという珍しい経歴を持ちます。家庭での対局で磨かれた牌感覚は、のちのプロとしての活躍の礎のひとつになりました。 社会人として——ルート営業の傍らで麻雀を続ける高校・大学を経て社会人となった矢島亨は、会社員としてのキャリアを歩み始めます。ルート営業という仕事に就きながらも、麻雀への情熱は衰えることなく続いていました。社会人になってからも麻雀を続ける中で、アマチュアとして参加できる大会や雀荘での対局を重ね、実力を磨いていきます。 やがて「もっと強い人と打ちたい。もっと高いレベルで麻雀をしたい」という思いが強くなり、矢島はプロへの道を意識し始めます。麻雀プロになれば、日本トップクラスの選手たちと定期的に対局できる環境に身を置けます。会社員を続けながらでもプロとして活動できると知った矢島は、その一歩を踏み出す決断をします。 29歳でのプロ入り——NPM第6期後期生として2007年、矢島亨は29歳という年齢でNPM(日本プロ麻雀協会)のプロテストを受験し、見事合格。第6期後期生として麻雀プロの世界に足を踏み入れました。会社員としての仕事を続けながらプロ入りするという異例の形でのスタートでしたが、矢島プロはこれを「麻雀への情熱をより高いレベルで表現できる舞台に立てた」と前向きに捉えています。 プロ入り後は、NPMのリーグ戦に参加しながらタイトル戦への出場を積み重ねていきます。会社員との二足のわらじは、時間的な制約も多く容易ではありませんでしたが、それを乗り越えてNPMの競争を生き抜いてきました。 初タイトル獲得——第13回日本オープン優勝(2015年)プロ入りから約8年後の2015年、矢島亨は第13回日本オープンで優勝し、プロとして初のタイトルを手にします。日本オープンはNPM主催のオープンタイトル戦で、プロ・アマ混合の大会として知られています。初タイトル獲得は矢島プロにとって大きな節目となり、麻雀界での存在感を高めるきっかけになりました。 三冠達成——雀王・雀竜位・オータムチャンピオンシップその後も着実に実績を積み上げた矢島亨は、2019年に第17期雀竜位を獲得。そして2020年には、NPM最高峰タイトルである第19期雀王に輝きます。雀王は通年のリーグ戦を勝ち抜いた上位選手による決定戦で争われる、NPMの象徴的なタイトルです。「サラリーマン(会社員)として雀王になった」のは矢島亨が初めてとされており、この快挙は麻雀界全体で大きな話題になりました。 オータムチャンピオンシップでは第17・18・19回の3連覇という偉業も達成。これらの実績をあわせて「三冠」と称される活躍を見せ、矢島亨はNPMを代表するプロのひとりとしての地位を確立しました。 Mリーグへの挑戦——2021年ドラフトオーディション参加2021年、矢島亨プロはMリーグ・EX風林火山のドラフト会議指名選手オーディションに参加します。Mリーグは2018年開幕の日本最高峰の麻雀リーグで、参加すれば最高の舞台でのプレーが実現します。矢島プロはオーディションの予選を戦いましたが、準決勝進出には届かず、Mリーガーへの道は今回は開きませんでした。しかし、雀王獲得プロがMリーグを目指したという事実は、矢島プロの向上心と実力の高さを示すエピソードとして語られています。 現在——会社員と麻雀プロの両立を続けて現在も矢島亨プロは、会社員とプロ雀士の両立を続けながら精力的に活動しています。NPMのリーグ戦・タイトル戦への参加に加え、動画配信や麻雀イベントへの出演など、多方面での活躍を続けています。「夢を持って仕事と麻雀を両立する」という生き様は、多くの社会人麻雀ファンへの希望の灯となっています。 |
雀風・麻雀スタイル(初心者向け解説) |
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一言で言うと「速攻・高打点を狙う攻撃型」矢島亨プロの麻雀スタイルを一言で表すなら「速攻重視・高打点を狙う攻撃型」です。「戦慄の速射砲」という異名のとおり、素早い仕掛けと積極的な攻めが持ち味で、先手を取って相手に圧力をかける打ち方が特徴です。守りよりも攻めを優先し、局面を自分のペースに引き込んでいく姿勢が矢島プロのスタイルの核心にあります。 【初心者向け】「速射砲」な麻雀とはどういうもの?仕掛けとは何か? 麻雀には「仕掛け(チー・ポン・カン)」という行動があります。他の選手が捨てた牌をもらって手を進めることで、通常よりも速くテンパイ(あと1枚でアガリの状態)に到達できます。ただし仕掛けると手の内が相手に見えるため、読まれやすくなるというリスクもあります。 「速射砲」とはどういう意味? 矢島亨プロは積極的に仕掛けを使い、素早くテンパイを作って先手を取る打ち方を好みます。これが「速射砲」——相手が手を整える前に素早く攻撃を仕掛けていくスタイルを意味します。先手を取ることで相手を守りに追い込み、自分のアガリ率を高めていくのです。 高打点を狙う理由 麻雀では単純に「アガリ回数」が多いだけでは点数は増えません。「どれだけ大きな点数でアガれたか」も重要です。矢島プロは積極的に高い役や得点が見込める手を狙い、1回のアガリで多くの点数を得ようとします。スピードと打点の両方を追い求めるスタイルが「戦慄の速射砲」の名の由来です。 攻撃型でありながら守備力も備える攻撃重視のスタイルから「守備が弱いのでは?」と思われるかもしれませんが、矢島亨プロは仕掛けて手牌が短くなった後でもしっかりと守りきれる対応力を持っています。麻雀では積極的に仕掛けるほど相手から読まれやすくなりますが、それでもトップクラスの成績を維持できるのは、攻撃の姿勢を保ちながらも必要な場面では的確に守備に切り替えられる柔軟性があるからです。 感情を抑制したブレない打ち方矢島亨プロは「感情を抑制し、ブレずに打ち続けることが自分の武器だ」と語っています。麻雀はうまくいかない局面が続くと感情が乱れ、判断が狂いやすいゲームです。しかし矢島プロは会社員としての日常生活で鍛えられた精神的な安定感を持ち、局面がどう転んでも自分のスタイルを崩さずに打ち続けることができます。この「感情のブレのなさ」が、長いリーグ戦や決定戦を勝ち抜く力の源泉です。 観戦のポイント:仕掛けのタイミングに注目矢島亨プロの麻雀を観戦する際は、「どこで仕掛けるか」「どんな手を狙っているか」に注目するのがおすすめです。ポン・チーをしたとき、「なぜここで仕掛けたのか」「どんな役を目指しているのか」を考えながら観ると、攻撃型の麻雀の醍醐味がよく分かります。また、速くテンパイしたときに「大きな手を作るために待ちを変えるか、それとも早いアガリを優先するか」という判断も見どころのひとつです。 |
見どころ・おすすめポイント |
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「サラリーマン雀王」という唯一無二の経歴麻雀界において「会社員として働きながら団体最高峰タイトルの雀王を獲得した」のは矢島亨プロが初めてとされています。プロ雀士の多くは麻雀一本で生活していますが、矢島プロはルート営業という本業を持ちながらプロ活動を続けています。この事実は「仕事と夢の両立」という観点からも多くの人の共感を呼んでおり、社会人麻雀ファンの間で特に大きな支持を集めています。 29歳という「遅い」プロ入りと積み上げた実績矢島亨プロが麻雀プロとしてのキャリアをスタートさせたのは29歳のときです。麻雀プロの世界では、10代・20代前半でプロ入りする選手も多い中、29歳という年齢はむしろ「遅い」部類に入ります。しかしその後の実績——日本オープン優勝・雀竜位獲得・オータムチャンピオンシップ3連覇・雀王獲得——は、年齢よりも努力と継続の大切さを示すものです。「何歳からでも本気になれば頂点を狙える」というメッセージを、矢島プロの経歴は体現しています。 オータムチャンピオンシップ3連覇という一貫した強さ矢島亨プロは第17・18・19回オータムチャンピオンシップを3連覇しています。タイトル戦での3連覇は、一時的な強さではなく継続的な高水準のパフォーマンスを示すものです。毎年同じ舞台で頂点に立ち続けるには、その間に相手も対策を練ってくる中でそれを上回る成長と安定感が必要です。矢島プロの麻雀の安定した強さが最も明確に表れているエピソードのひとつです。 勝又健志プロとの関係性と時代の競争矢島亨プロがNPMでタイトルを争ってきた時代は、同じNPMの実力者たちとの熾烈な競争の中にありました。NPMには逢川恵夢プロ(永世女流雀王)をはじめ、多くの強豪プロが揃っています。そうした競争の中で着実に実績を積み上げてきた矢島プロの強さは、数字が証明しています。 Mリーグオーディション挑戦に見る向上心2021年、矢島亨プロはMリーグのドラフトオーディションに挑戦しました。雀王を獲得した後も満足せず、さらに高い舞台を目指す姿勢は、「現状に甘えない」向上心の表れです。今回はMリーガーへの道は開きませんでしたが、この挑戦がNPMでのさらなる活躍への意欲に繋がっています。 |
日本プロ麻雀協会(NPM)について |
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日本プロ麻雀協会とは日本プロ麻雀協会(Nippon Professional Mahjong / NPM)は2001年設立の麻雀プロ団体です。日本プロ麻雀連盟・最高位戦日本プロ麻雀協会・RMUなどと並ぶ主要団体のひとつで、競技麻雀の普及と振興を理念としています。NPMが主催するタイトル戦は男女それぞれに設けられており、最高峰の「雀王戦」「女流雀王戦」をはじめ、「日本オープン」「フェニックスオープン」「オータムチャンピオンシップ」など多彩な大会があります。 NPMの特徴——リーグ制と競技環境NPMではリーグ制を採用しており、A1リーグから下位リーグまで実力に応じた対局を重ねていく仕組みになっています。リーグ戦の結果により昇降級が決まり、上位リーグへの昇格・維持のための競争が選手のモチベーションを高めます。雀王戦はA1リーグ上位の選手と前年度雀王による決定戦で争われるため、日々のリーグ戦から手を抜くことはできません。矢島亨プロのような実力者もこの厳しい競争の中で結果を出し続けてきました。 NPM所属の著名なプロたちNPMには矢島亨プロのほかにも、数多くの著名プロが活躍しています。逢川恵夢プロは女流雀王を5期獲得して「永世女流雀王」の称号を手にした女流の最高峰です。また、大崎初音プロは女流雀王3期獲得の実力者で、「卓上のひまわり」の愛称で広く親しまれています。NPMはこうした個性豊かなプロが揃う魅力的な団体です。 麻雀の基本的なルールや役については、麻雀役一覧もあわせてご覧ください。NPMの対局や雀王戦をより深く楽しむための基礎知識が身につきます。 |
よくある質問(FAQ) |
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まとめ |
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矢島亨プロは「会社員でありながら雀王になった」という唯一無二の経歴を持つプロ雀士です。神奈川県出身・1979年生まれで、ルート営業のサラリーマンとして働きながら日本プロ麻雀協会(NPM)で活躍し続けています。第19期雀王・第17期雀竜位・日本オープン優勝・オータムチャンピオンシップ3連覇という豊富なタイトル実績は、兼業という制約の中で積み上げてきた努力の結晶です。 「戦慄の速射砲」の異名が示す攻撃型の麻雀スタイルは、仕掛けとスピードを重視し、先手を取って相手を圧倒する爽快なものです。「感情を抑制してブレずに打つ」という信条が、長いリーグ戦や決定戦での安定した強さを生み出しています。「麻雀を本気でやりたいが、仕事もある」という社会人麻雀ファンにとって、矢島プロの存在は大きな希望です。 NPMや競技麻雀の対局に興味を持った方は、麻雀アプリおすすめもぜひご覧ください。アプリで実際に打ちながらプロの技を体感することで、観戦がより楽しくなります。 |