「退路を断つ」という言葉がある。2016年の麻雀最強戦ファイナルで、近藤千雄(こんどう かずお)プロはまさにその言葉を体現した。10年勤めた会社を辞め、麻雀プロとして生きる道だけを選んでファイナルに挑んだ。そして、プロ14年目にして初めてのビッグタイトル——麻雀最強位2016——を、劇的な逆転劇で手にした。日本プロ麻雀協会所属、攻撃型のスタイルと天鳳十段の実力を持つ近藤千雄プロの経歴・タイトル・雀風を、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
プロフィール |
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| 本名 | 近藤 千雄(こんどう かずお) |
| 生年月日 | 1979年1月29日 |
| 出身地 | 愛知県 |
| 身長 | 175cm |
| 血液型 | O型 |
| 所属団体 | 日本プロ麻雀協会(本部) |
| 入会年 | 2003年(2期前期) |
| 所属リーグ | 雀王戦 B1リーグ |
| 主な獲得タイトル | 麻雀最強位2016、麻雀最強戦2016 全日本プロ代表決定戦 優勝 |
| 雀風 | 攻撃型 |
| SNS | X(Twitter): @donnyoku |
| 備考 | 天鳳十段。非Mリーグ。好きな牌:四筒、好きな役:立直。 |
経歴:プロ14年目で掴んだ感動の初タイトル |
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幼少期から麻雀との出会い近藤千雄プロは1979年1月29日、愛知県に生まれました。麻雀との出会いについて、近藤プロ自身は「男三人兄弟で小学生のころ正月に家族麻雀をしていた」と語っています。家族と囲んだ麻雀卓がプロへの道の出発点だったというエピソードは、多くの麻雀プロが持つ原点と重なる部分があります。 日本プロ麻雀協会への入会(2003年)近藤千雄プロは2003年、日本プロ麻雀協会に入会(2期前期)しました。日本プロ麻雀協会(NPM)は2001年に設立された比較的新しいプロ団体で、競技性の高いリーグ戦「雀王戦」を主な競技の場としています。近藤プロは本部所属として協会内でのキャリアを積み上げていくことになります。 プロ入会後は雀王戦のリーグ戦を主戦場として、段階的に実力を高めていきました。日本プロ麻雀協会の雀王戦はA1からF1まで多段階に渡るリーグ制で、実力に応じて昇降格が決まります。プロとして生計を立てながら麻雀の実力を磨くことは容易ではありませんが、近藤プロはその道を着実に歩んできました。 会社勤めと麻雀の二足のわらじ近藤千雄プロはプロ入会後も、約10年間にわたって会社員生活と麻雀プロ活動を並行していました。多くのプロ雀士がそうであるように、麻雀だけで生活の全てを賄うことは簡単ではありません。それでも近藤プロは日本プロ麻雀協会のリーグ戦に出場しながら、オープントーナメントにも積極的に参加し続けました。 この「二足のわらじ」の時代は、決して無駄ではありませんでした。競技から離れず腕を磨き続けたことが、後の大ブレイクへの布石となります。 2016年——退路を断ってファイナルへ2016年、近藤千雄プロは麻雀最強戦2016の全日本プロ代表決定戦で優勝し、ファイナルへの出場権を獲得しました。そしてこのファイナルへの挑戦にあたり、近藤プロは10年勤めた会社を辞めるという決断をしました。退路を断ち、麻雀プロとして生きることへの覚悟を固めてファイナルに臨んだのです。 この決断がプロとしての「本気度」を示したことは言うまでもありません。そしてその覚悟が報われる瞬間が、2016年12月12日に訪れました。 麻雀最強位2016——プロ14年目の感動の瞬間麻雀最強戦2016ファイナルは12月12日に開催されました。近藤千雄プロにとってプロ入会(2003年)から数えて14年目のことです。ファイナルには鳳凰位の勝又健志プロ、雀王の角谷ヨウスケプロ、RTDマンスリーリーグ優勝の多井隆晴プロという豪華なメンバーが揃いました。 前半は多井隆晴プロを中心にゲームが展開しましたが、後半に近藤プロが逆襲を開始。オーラスの劇的な逆転でトップを取りきり、賞金300万円の麻雀最強位の称号を手にしました。表彰式で見せた涙は、14年間の苦労と喜びが混じり合ったものでした。「プロ14年目で涙の初タイトル」として広く報じられ、多くの麻雀ファンの感動を呼びました。 最強位獲得後の活躍と現在麻雀最強位2016を獲得した後も、近藤千雄プロは日本プロ麻雀協会での活動を継続しています。2019年には日刊スポーツ杯スリアロCS 2019年9月度でも優勝を果たし、実力の高さを証明しました。また第11回日本オープン3位、第13回日本オープン4位という実績も残しており、様々なトーナメントで安定した成績を残しています。 雀王戦ではB1リーグに所属し、さらなる高みを目指して競技生活を続けています。 主な経歴まとめ
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主な実績・タイトル一覧 |
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獲得タイトル・主要実績
オンライン麻雀(天鳳)での実績
団体内リーグ
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雀風・麻雀スタイル(初心者向け解説) |
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「攻撃型」とはどういう雀風か近藤千雄プロの雀風は一言で言えば「攻撃型」です。麻雀の戦略スタイルには大きく「攻撃型」と「守備型(バランス型)」があります。攻撃型プロは、テンパイが遠くても積極的に手を組み、自分からアガリに向かうスタイルを取ります。相手の攻撃に対しても強い手で向かうことが多く、「ぶつかり合い」を厭わない麻雀が特徴です。 「どんよくすぎる天鳳十段」——異名が示すもの近藤千雄プロには「どんよくすぎる天鳳十段」という異名があります。この異名は、オンライン麻雀天鳳での最高クラスの段位(十段)を達成しながら、その雀風があまりにも「欲張り(どんよく)」であることを示しています。 「どんよく」とは麻雀用語で「貪欲(どんよく)」を意味し、どんな状況でも高い手を狙い続けること、アガリの機会を逃さず常に前に向かうことを指します。天鳳十段という最高レベルの実力を持ちながら、その雀風が徹底して攻撃的であることを表したニックネームです。 【初心者向け】近藤千雄プロの雀風を理解するための3つのポイント
攻撃型プロが強い理由——競技麻雀の「攻守バランス」競技麻雀では「守備も重要」と言われます。危険牌を切り続けることで放銃(ロン)してしまえば大きなマイナスになるからです。しかし攻撃型のプロが強い理由は、「先にアガって点棒をリードすること」にあります。近藤千雄プロのような攻撃型プロは、一発でゲームを決める破壊力を持っており、麻雀最強戦のような短期決戦では特にその強さが光ります。 麻雀最強戦2016ファイナルでのオーラス逆転劇は、近藤プロの攻撃型スタイルが発揮された瞬間でもありました。前半で遅れを取っても、攻め続ける意志が最後の大逆転をもたらしたのです。 |
麻雀最強戦2016ファイナルの詳細 |
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麻雀最強戦とはどんな大会か麻雀最強戦は竹書房が主催する大規模なオープントーナメントで、「日本で最も強い麻雀プロを決める」をコンセプトとした大会です。1989年から開催されており、プロ雀士だけでなく芸能人・著名人枠なども設けられています。ファイナルに出場するためには各予選枠(鳳凰位、雀王などの各タイトル保持者、全日本プロ代表決定戦勝者など)を勝ち抜く必要があります。 全日本プロ代表決定戦での勝利近藤千雄プロは2016年の全日本プロ代表決定戦を制してファイナルへの切符を掴みました。この大会では小林剛プロ(麻将連合)、近藤誠一プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)、沢崎誠プロ(日本プロ麻雀連盟)といった錚々たる顔ぶれとの対戦を経て勝ち上がっています。 特に予選では、東2局に近藤誠一プロに12000点を放銃してラス目に落ちるという苦しい展開から、南1局の親番でテンパイ外しからの12000点をツモって逆転。さらに連荘を重ねてトップを奪うという劇的な勝ち方で代表権を手にしました。 ファイナルの舞台——4名の強豪との対決2016年12月12日、麻雀最強戦2016ファイナルが開催されました。出場者は以下の4名です:
前半は多井隆晴プロがゲームを支配する展開が続きました。しかし後半に近藤プロが逆襲を開始。そしてオーラスの局面で劇的な逆転を果たし、最終的にトップで終了。賞金300万円の麻雀最強位のタイトルを初めて手にしました。 表彰式の涙——プロ14年目の感動表彰式で近藤千雄プロは涙を見せました。この涙は単なる喜びの涙ではありません。2003年のプロ入会以来14年間、麻雀プロとして結果を出し続けることへのプレッシャーと向き合い、会社を辞めてファイナルに懸けた覚悟と——その全てが報われた瞬間の涙でした。 この感動的な場面は多くの麻雀ファンの記憶に刻まれており、「麻雀プロとして夢を追い続けることの意義」を体現したシーンとして語り継がれています。 |
天鳳十段が語る実力の証明 |
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天鳳とは——競技麻雀の「試験場」天鳳はコナミデジタルエンタテインメントが運営するオンライン麻雀サービスで、競技麻雀の世界では「実力を測る最も公平な指標の一つ」として広く認知されています。ランダム要素が排除できない麻雀において、長期にわたる多数の対局で成績を積み重ねるため、実力差が比較的正確に反映されます。 段位は一段から十段まであり、天鳳十段は全プレイヤーの中でもごく少数の精鋭だけが到達できる最高峰に近い段位です。プロ雀士の中でも天鳳十段に達している選手は限られており、近藤千雄プロがこの段位を達成していることは、その攻撃型スタイルが高レベルで機能していることを示しています。 「どんよく」という哲学——貪欲に勝ちを狙う近藤千雄プロを表す「どんよく」という言葉は、麻雀における一つの哲学を示しています。麻雀には「期待値を計算してベストな選択をする」というデジタル的アプローチがありますが、近藤プロのスタイルはそこに「貪欲に高い手を目指す」という姿勢を加えたものです。 アガれる機会があれば確実にアガりにいく。高い手が見えたら諦めずに組み続ける。そのような「欲張り」な姿勢が、天鳳十段という高みと麻雀最強位という大タイトルを両立させた源泉と言えるでしょう。 オンラインとリアルの二刀流——プロとしての強さの源現代の競技麻雀プロには、リアルの卓上で戦うだけでなく、オンライン麻雀での活動も求められることが多くなっています。天鳳を主軸とするオンライン麻雀では、膨大な対局数をこなすことで戦術の引き出しが増え、実力が磨かれます。 近藤千雄プロが天鳳十段まで登り詰めたことは、日常的にオンライン麻雀で切磋琢磨してきた努力の証です。この積み重ねがリアルの舞台でも発揮され、麻雀最強戦のような大舞台での逆転劇を生み出す力につながったと考えられます。 |
よくある質問(FAQ) |
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まとめ |
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近藤千雄プロは、日本プロ麻雀協会本部所属のプロ雀士です。愛知県出身で1979年生まれ、2003年にプロ入会。14年間のキャリアの中で攻撃型の雀風と天鳳十段の実力を磨き続け、2016年の麻雀最強戦ファイナルでその全てが結実。10年勤めた会社を辞めて退路を断ち、劇的な逆転でつかんだ麻雀最強位2016は、まさに「覚悟と実力が一致した瞬間」でした。 Mリーグという大きな舞台の外にも、このような感動的なストーリーを持つプロ雀士が多くいます。近藤千雄プロの麻雀は、「諦めずに攻め続ける」という姿勢の大切さを私たちに教えてくれます。 日本プロ麻雀協会の雀王戦での更なる活躍、そして次なる大タイトルへの挑戦——近藤千雄プロの競技人生はまだ続いています。 |